2022年08月30日
東レ、OPPフィルムのガスバリア性 3倍以上向上
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:東レ

 東レは30日、食品包装用高ガスバリア性蒸着・二軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム「トレファン」を開発したと発表した。一般的なOPPフィルム比3倍以上の高いバリア性を有するため、高いリサイクル適性を備えたポリプロピレン(PP)単一素材構成の高ガスバリア食品包装を可能とし、包装材料の製造・使用・再原料化のリサイクルループを拡大し、CO2削減に貢献する。今後、生産化を検討していく方針だ。

 食品包装分野では、内容物の長期保存を可能とする高ガスバリア性フィルムの需要が世界的に伸長している。だが、従来のパッケージは、ガスバリア性を担う蒸着ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムとシーラントの無延伸ポリプロピレン(CPP)フィルムを積層した構成となっており、使用後のリサイクルが困難という課題があった。

 今回開発した高ガスバリア性「トレファン」は、xEVコンデンサ用等で培ったOPPフィルムの構造制御技術に均質バリア層加工技術を組み合わせ、水蒸気透過率0.3(g/m2/日)、酸素透過率0.3(cc/m2/日)以下とガスバリア性を一般的なOPPフィルム比3倍以上に高めることに成功した。同時に、耐熱性を25℃以上高め、120℃以上の加工温度に対応できるようになった。ボイル・レトルト食品包装用途への適用も可能となる。

 東レグループは、日米欧にOPPフィルムの製造拠点を有し、欧米ではアルミ蒸着バリア包装用OPPフィルムで高いシェアを有している。また、関係会社の東レフィルム加工は、国内シェアNo.1のアルミ蒸着フィルムや透明蒸着技術をもっている。今後、東レグループはさらなるグローバル展開を目指すとしている。