2022年08月31日
東北大、知的障害のモデルマウス、異常行動確認
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:東北大学

 知的障害は人口の数%で見られ、その原因遺伝子が多数報告されている。だが、それらの遺伝子が知的障害をどのようにひき起こすのかはよくわかっていなかった。
 
 東北大学加齢医学研究所・田中耕三教授らの研究グループは30日、知的障害の原因遺伝子の1つであるCHAMP1を欠損するマウスの解析を行った。CHAMP1を欠損するマウスでは、神経発達が遅れており、ヒトの知的障害と類似した軽度の行動異常が見られた。脳構築が生じる胎生期に神経細胞分化や神経細胞移動の遅れが見られた。

 このマウスは知的障害の新たなモデルマウスであると考えられる。初期の脳構築時期の発生プログラムが重要であることを示した本研究成果は、近年、増加している知的障害を含む発達障害の病態発症の理解につながるといえる。
同研究成果は、8月30日に学術誌「Brain Communications」誌に発表された 。