2022年09月12日
桜美林大、巨大シャコに共生する新種のヒラムシ発見
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:なし

 桜美林大学リベラルアーツ学群の大矢佑基助教らの研究グループはこのほど、沖縄県浦添市の干潟で採集したシャコ類の体表から新種のヒラムシを発見したと発表した。

 ヒラムシはその名前の通り、平たい体をもつ扁形動物で、多くが海中の石の表面や岩の隙間、海藻の上などで生活しているが、ヤドカリの殻の中やウニなどに共生・寄生する種類も知られている。今回、「カーミージー」として親しまれる沖縄県浦添市の干潟で採集された世界最大のシャコ、トラフシャコLysiosquilla maculata の体表から正体不明のヒラムシを発見した。
 
 詳細に観察した結果、既知のヒラムシのいずれにも該当しない特徴をもつ未知の種と判明した。そこでこのヒラムシを新種 Emprosthopharynx lysiosquillae(和名:シャコヤドリヒラムシ)として発表した。シャコ類と共生するヒラムシの報告は世界初となる。

 カーミージーはヒラムシが宿主とする大型のトラフシャコが高密度に生息する、沖縄県内でも類まれな場所であり、多数の大型個体の生活を支えられる豊かな自然環境が維持されてきた干潟といえる。このような良好な自然環境が残る土地・海域には、都市部近くであっても、まだ知られていない生物が数多く生息していると予想される。本研究成果は22年9月6日に「 Marine Biodiversity 」誌でオンライン公開された。
 
ニュースリリース
https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/220908_pr2.pdf