2022年09月16日
東レ、チェコに車載用軽量吸音材 年産1200トン設備
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:東レ

 東レは15日、グループ会社である、チェコ拠点のToray Textiles Central Europe(TTCE)が、自動車の車体内に発生する走行騒音や外部流入音などを防止する、極細吸音材「Airlite」(エアライト)の生産設備をチェコに新設すると発表した。チェコのプロスチェヨフ市の工場に年産約1,200トンの設備を導入し10月から量産開始する。

 欧州では、自動車の社外騒音規制が段階的に強化されている。また、今後普及が見込まれる電気自動車は、エンジン騒音がほとんどないため、運転者に対する外部からの走行騒音への対応が必要となる。さらに将来は、プロペラを利用したUAM(Urban Air Mobility)産業の成長が見込まれ、軽量吸音材の需要は拡大が予想される。

 「Airlite」は、軽量のポリプロピレンとポリエステルを混入し、メルトブロー方式により生産した不織布吸音材で、幅広い周波数での吸音性能に優れている。細繊度の繊維を使用することにより高密度で高性能な吸音性を有する。また軽量なため、自動車走行時に発生するエネルギー消費量を減らすことができる。

<用語の解説>
◆メルトブロー方式とは :樹脂を溶かす・吹き付ける、を繰り返すことで、体積のある不織布をつくる製法。