2022年10月20日
早大などの「CO2回収・固定化」ムーンショット採択
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:科学技術振興機構

 早稲田大学、北海道大学、京都府立大学の3大学は19日、三菱重工エンジニアリングとともに提案していた「大気からCO2を効率的に回収・固定化する新たな風化促進技術」である“A-ERW”の開発が、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の22年 「ムーンショット型開発研究事業」(目標:4)に採択されたと発表した。
 
 気候安定化とカーボンニュートラルに必要不可欠な Negative Emission Technologies(NETs)として、日本の岩石との散布場の特性を生かし、大気からCO2を効率的に回収・固定化する先進的な風化促進技術“A-ERW”を開発する。
 
 また、実環境場での試験を通じたデータを基に、炭素会計LCAのエビデンスとして情報基盤を整備し、国内外に発信するとともに国際認証の取得を目指す。
 
 これまでのERWでは、対象は主に玄武岩のみで、粉砕して耕作地に散布することを想定していた。今回プロジェクトでは、ERWを「物理的な比表面積拡大」×「物質輸送と化学反応によるCO2鉱物化」として捉え直し、可能な限りの少ない追加エネルギーでそれぞれのプロセスの加速法を適用していく。耕作地散布でも、土壌に合わせた管理法や栽培法を組み合わせることで実質の固定量を増大させる。得られたデータを蓄積し、炭素会計LCAのためのエビデンスとして情報基盤のひな形にしていく方針だ。