2022年12月08日
北大、マイクロプラ添加剤の魚類組織に移行 実証
【カテゴリー】:環境/安全
【関連企業・団体】:北海道大学

 北海道大学 理学部の仲岡雅裕教授(生物科学科)、東京農工大学 環境資源科の高田秀重教授らの研究グループは7日、魚類がマイクロプラスチックの摂取を通じて、プラスチック製品に含まれる添加剤を筋肉や肝臓などの体組織に取り込み蓄積することを世界で初めて実証したと発表した。

 添加剤は、プラスチックが細分化されると溶出しやすくなる。魚類はマイクロプラスチックを海水中及び餌生物から取り込むため、その2つの経路を介して添加剤が体組織に移行・蓄積する可能性は指摘されていた。

 研究グループは、肉食性魚類のシモフリカジカとその餌生物であるイサザアミ類を用いて、魚類のマイクロプラスチック摂取による添加剤の組織への移行について調べた。

 その結果、添加剤入りマイクロプラスチックを含む海水中で魚を飼育した場合及びマイクロプラスチックを含む餌生物を魚に摂食させた場合に、魚の筋肉や肝臓に添加剤が蓄積することが示された。両経路の相対的重要性は添加剤の種類や組織により異なっており、化学物質の特性が関連していることが示唆された。今後は、それら添加物の影響を解明するためのさらなる研究の進展が期待される。
同研究成果は11月18日公開の「Marine Pollution Bulletin」誌に掲載された。

ニュースリリース参照
https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/221207_pr2.pdf