2022年12月08日
三井化学、TPXで農水省「輸出コンソーシャム」参加
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学は8日、政府の「農林水産業の輸出力強化戦略」(2020年11月)に基づき設立された「農研機構 カンキツ輸出コンソーシアム」に参加したと発表した。青果物輸出に最適な包装材として、同社の耐熱・透明な TPXフィルム(ポリメチルペンテン)の市場拡大につなげる。

 日本産カンキツ類の中でも、温州ミカンはとくに身近で食べやすく、味や外観にも優れていることなどから、最近はアジア向けを中心に輸出が急増している。だがミカンの場合、運送時にキズがつきやすく、腐敗などによる品質低下も招きやすい。最近でも 13~15%程度の減耗が発生しており、さらなる輸出拡大のためには、高品質ミカンの安定生産とともに、輸送時の品質維持が不可欠となる。
 
 三井化学はこれまで、特殊ポリオレフィン「TPX」の特長であるガス透過性を生かし、青果物の鮮度保持フィルムとして開発してきた。今後、温州ミカンでその効果を確認するため、令和 4~6 年の3年間、TPXフィルムで果実を包装し、シンガポールに輸送して腐敗抑制の実証を行う。
 
 同プロジェクトでは減耗損失量3割以上の削減、減耗による損失額を1割以上削減することを目指す。包装材の開発を通じて、フードロスの削減ならびに日本産カンキツの輸出拡大に貢献する。

ニュースリリース
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1670470518.pdf