2022年12月14日
国土地理院・東北大・JR東海、地震対応へ「産学官連携」
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:東北大学

 国土地理院は東北大学と共同開発した地震発生時のリアルタイム解析システム「REGARD(リガード)」をJR東海にも提供し産学官連携して地震・津波への対応力強化をめざすことで一致した。

 駿河湾から日向灘にかけての南海トラフ沿いには、マグニチュード8を超える巨大地震が、おおむね100~150年間隔で繰り返し発生してきた。前回の南海トラフ地震(1946年昭和南海地震)からはすでに75年以上が経過しており、大規模地震発生の切迫性が高まっている。万一、大規模地震が発生した際には、甚大な被害の発生が想定されるだけに対策を急ぐ必要がある。

 国土地理院はこれまで、東北大学大学院 理学研究科と共同で全国約1,300点の電子基準点における地殻変動を自動で計算し、リアルタイムで地震規模や岩盤のずれを推定する、REGARD(リガード)を開発。平成28年4月から運用してきた。

 東北大学は、地震規模、地殻変動データ、地形データを入力値としてリアルタイムに津波浸水被害予測を実施するフォワード型のシステム(リアルタイム津波浸水被害予測システム)を構築。これによって大規模地震発生後30分程度で各地点の津波浸水深・範囲、建物被害等の予測が可能となっている。

 また、東海旅客鉄道(JR 東海)は、これまで鉄道構造物や建物の耐震化、東海道新幹線の脱線・逸脱防止対策、地震発生時に列車を自動的に停止させる地震防災システムのほか、地震防災訓練など、ハード・ソフトの両面で地震時の安全対策の強化に取り組んできた。

 今回、REGARD情報を国土地理院から東北大学とJR東海に提供し、リアルタイム津波浸水被害予測の高精度化、津波への対応力の強化を目指すことで合意し、これに関する産学官連携の協定を12月12日付で締結した。