2022年12月20日
富士フィルム、米国デジタル病理診断用ソフト買収
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:富士フイルム

 富士フイルムは20日、デジタル病理診断用ソフトウェアの開発・販売を行う、Inspirata, Inc.(本社 : 米国フロリダ州 )のデジタル病理部門を買収すると発表した。米国現地法人を通じて12月15日、買収契約を締結した。今後、米国、欧州市場を中心にデジタル病理事業をグローバル展開していく方針だ。

 富士フィルムの世界トップシェアの医療用画像情報システム(PACS)に、新たにデジタル病理診断用ソフトウェアを組み合わせることで院内検査画像の一元化を実現し、病理診断ワークフローの効率化を支援する。買収完了時期は、2023年1月の予定。

 病理診断とは、患者の体から採取された組織や細胞を観察し、病変の有無や疾患の種類を診断すること。がんの確定診断を目的として行われるケースが多いが、がん患者の増加に伴い、病理診断の検査数も増え、病理医の業務負担は増している。
 
 今後は、採取したガラス標本をスキャナーで読み取り、モニターに表示して観察するデジタル病理診断が普及する方向にある。デジタル病理診断用ソフトウェアの市場規模は、2025 年までに現在の約2倍の 640百万ドルに達すると予測されている。

 Inspirata 社は、デジタル病理診断用ソフトウェアの世界大手で、北米や欧州で事業展開してきた。米国、欧州、カナダで薬事承認を取得済み。
 
 一方、富士フイルムは、独自の画像処理技術や AI 技術を生かし、X 線画像診断、内視鏡、超音波診断、体外診断(IVD)、医療 IT ソリューションなど幅広い領域でメディカルシステム事業を展開してきた。今回、同社を買収することで、デジタル病理事業に本格参入し、これまでのPACSと組み合わせて、院内検査画像の一元管理を実現し、病理診断ワークフローの効率化を支援していくことにした。

米国Inspirata社のデジタル病理部門を買収
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1671502318.pdf

Fujifilm Announces Asset Purchase Agreement with Inspirata, Inc. …
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file2_1671502318.pdf