2022年12月23日
東北大・日大、コンクリート塩分濃度30秒で測定
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:東北大学、日本大学

 東北大学 金属材料研究所の吉川彰教授、日本大学工学部の岩城一郎教授らのグループは22日、従来は約1カ月を要したコンクリート塩分濃度測定を1測定点あたり30秒に大幅短縮する技術を開発したと発表した。蛍光X線分析装置のハンドヘルド型への改良により現場での測定を実現した。
 
 建設業界は、「造る」時代から「守る」時代にシフトしつつあるといわれている。少子高齢化による人手不足の状況環境下でのインフラの維持管理は深刻な課題で、特に、都市部以外のエリアでは広大な面積の割には人手が少なく構造物調査そのものにマンパワーを割くことができない状況にある。構造物調査の省人化・効率化は非常に重要となっている。

 技術はオリンパスの子会社であるエビデント(東京都新宿区)、東北大発ベンチャーのXMAT(仙台市)などと共同で開発した。蛍光X線分析法(XRF)と、拡張現実技術を組み合わせ新奇なコンクリート塩分濃度測定技術の開発に成功した。その技術は国土交通省の 新技術情報提供システム(NETIS)に登録された。今後、インフラマネジメントの各種作業の効率化につながると期待される。

<用語の解説>
◆蛍光X線分析(XRF)
 測定する対象物にX線を照射し、発生した蛍光X線を読み取ることで、成分元素や含有量を分析する手法。蛍光X線は元素ごとに固有のエネルギー量を持っているため、成分元素や含有量の分析が可能となる。

プレスリリース
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20221222_01web_x.pdf