2023年01月19日
北大・世界初実証「イワナは泳ぐ前にあくびをする」
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:北海道大学

 北海道大学水産科学研究院の和田哲教授らの研究グループは18日、北海道に生息するイワナの稚魚が頻繁に“あくび”をすることを発見したと発表した。また稚魚のあくびが、着底行動から遊泳行動への行動変化が起こる直前に集中していることを明らかした。

 霊長類をはじめとする内温動物(自律的に体温を維持している動物)が行動を起こす前にあくびをすることはこれまでも知られていたが、外温動物の魚類では逸話的な観察記録しかなく、知見に乏しかった。今回の研究は、あくびの状態変化仮説を魚類で実証した世界初成果となる。

 内温動物における状態変化仮説の研究では、あくびの血流促進効果や脳の冷却機能などに起因して生じる生理的覚醒度の高まりが、非活発な行動から活発な行動への状態変化を引き起こすと考えられている。
 
 今回の研究では、外温動物である魚類のあくびにも、内温動物のあくびと類似した機能がある可能性を示唆している。魚類は、地球上で最初にあくびをした動物と考えられている。本研究の成果は、魚類のあくびへの理解だけでなく、動物界におけるあくびの起源の理解にも重要な貢献を果たすことが期待される。
同研究成果は1月10日公開の「Journal of Ethology」誌にオンライン掲載された。

ニュースリリース参照
https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/230118_pr.pdf