2023年01月20日
法政大チーム、八重山諸島のヤスデ新種記載
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:科学技術振興機構

 法政大学 国際文化学部の島野智之教授らの研究チームは19日、日本最大のヤスデであるヤエヤママルヤスデ(ヤスデ綱)を新種として記載したと発表した。ヤスデ(ヤスデ綱)は、ムカデなどとともに多足亜門を構成している。ムカデは一般に毒をもつことが多いが、ヤスデは落ち葉などの腐植有機物を餌としており、毒をもたず咬まれることもない。英名はmillipedeで、1節あたり2対の脚をもつのが特徴。

 これまで和名「ヤエヤママルヤスデ」と呼ばれ、沖縄県・八重山諸島の石垣島と西表島、およびその間にある小浜島で生息が記録され、絶滅危惧II類 (VU)とされながらも、分類学的位置づけは長く未解決だった。
 だが保全を考える上で、分類学的に明確にする必要があった。

 島野教授らは、形態学的および分子生物学的アプローチによって、ヤエヤママルヤスデの分類学的位置づけを検討した。形態では雄と雌の器官の特徴、遺伝子情報等に基づいて分類し、新種記載した(学名読み:スピロボルス・アカンマ)。現地でも個体数は減少しており、今後、保全の対象として重要で貴重な種となる。
同研究成果は2023年1月12日「Species Diversity誌」に掲載された。
 
(詳細)
https://www.kyoto-u.ac.jp/sites/default/files/2023-01/230118_nakano-82fc9505c3d7fb1a005c5093c7b8365a.pdf