2023年01月25日
産総研、スーパーエンプラPEEK リサイクル技術開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:産業技術総合研究所

 産業技術総合研究所 触媒化学融合研究センターの南 安規 主任研究員は25日、スーパーエンプラの代表格であるポリエーテルエーテルケトン(PEEK)をモノマー単位へ分解できる解重合法を開発したと発表した。

 PEEKは射出成形が可能で、金型内で結晶化するため寸法制度に優れ、アニール処理や切削加工などの後処理が不要などから近年需要が伸びている。
 
 この技術は有機硫黄化合物のチオールと塩基を解重合剤に使用することによって、樹脂の一般的な熱分解温度の600~1500 ℃を大きく下回る150 ℃、19時間以内にPEEKをモノマー単位へと分解する。また、重合可能モノマーの前駆体(ジチオベンゾフェノン)とPEEKの原料モノマー(ヒドロキノン)をそれぞれ93%、95%という高収率で得ることができる。PEEKのモノマー単位への解重合は、世界で初めて成功した。
 
 ポリプロピレンやポリアミドなどの樹脂を含む場合でも、また、炭素繊維強化PEEKなどの複合PEEK材料を用いる場合でも、PEEK成分の選択的な分解が可能だ。得られたモノマーからはベンゾフェノン-ビスフェノールA-交互共重合体などいろいろな高分子を合成できる。
 
 今回開発した技術はPEEKのケミカルリサイクルの道を切り開くとともに、PEEK以外のスーパーエンプラ解重合にも応用できると考えられ、安定樹脂材料のサーキュラーエコノミーに貢献する。

 本研究成果の詳細は1月24日に英国の学術誌「Communications Chemistry」に掲載される。