2023年02月03日
九大、原始星の詳細観測に世界初成功
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:九州大学

 九州大学理学部の町田正博准教授らの研究グループは3日、視力の高い国立天文台アルマ望遠鏡を使って、最も若い星団形成領域の1つであるOMC-2 内のFIR 3 およびFIR 4 領域を観測した結果、若い星から噴き出す巨大分子流が、同じ星団形成領域内の若い星周辺の高密度ガスと激しく衝突している様子を捉えるたと発表した。世界で初めて高解像度で捉えることに成功した。
 
 この天体はオリオン座の方向にあり、地球から 1400 光年の位置にある。研究グループは、分子雲や分子雲コアを観測する塵、分子流を観測する一酸化炭素(CO)、ガス同士の激しい衝突を観測する一酸化ケイ素(SiO)の分布状況を調べた。先行研究よりも3倍高い視力の観測によって、2倍の数の分子流を発見し、複雑な星団形成環境の様子を捉えることに成功した。さらに原始星から噴き出た巨大分子流が、若い星が密集するFIR 4 領域に激しく衝突していることを示す決定的な証拠を得た。

 今回の発見は、一般的な星形成過程であるにもかかわらず鮮明に観測されてこなかった星団形成の理解をひも解く重要な一歩といえる。
 同本研究の成果は米国雑誌「Astrophysical Journal」(2023年2月3日付)に掲載された。

ニュースリリース参照
https://www.kyushu-u.ac.jp/f/51318/23_0203_01.pdf