2023年02月17日
京大、神経活動と回路構造をつなぐ地図作成・世界初
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:京都大学

 京都大学 情報学研究科の島崎秀昭准教授らの研究グループは16日、生きた動物の神経活動から、背後にある回路網の結合構造を解明し、神経活動と回路構造を対比させる地図を世界で初めて作成したと発表した。神経活動の特徴を手がかりに、隠れた回路構造を特定する手法を開発した。

 動物の脳の神経細胞は環境に適した回路網を構築し、環境を認識し行動するための計算を行なっている。そのため、どのような回路網が構築されているかを知ることは、脳の機能を知る上で不可欠だ。

 島崎准教授らはこの地図をもとに視覚野の神経細胞が示すスパース(疎)な活動を調べ、従来考えられていた抑制性細胞が主役の回路網ではなく、興奮性細胞による局所的な共通入力構造が背後にあることをつきとめた。

 これによりスパース符号化と呼ばれる脳の情報符号化方式の実態に新たな可能性を示した。
本成果は2023年2月15日に英国の国際学術誌「Communications Biology」にオンライン掲載された。

(詳細)
https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2023-02-16-0