2023年02月21日
九大、水素と酸素だけで過酸化水素を安全に合成
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九州大学カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所/大学院工学研究院の小江誠司(おごう・せいじ)主幹教授らの研究グループは20日、三菱ガス化学との共同研究により、水素の合成や分解を担う天然ヒドロゲナーゼ酵素の機能をヒントに新しい触媒を開発したと発表した。

同触媒を用いることで、爆発の危険性がほとんどない安全な混合比率で、一つの容器で効率的に過酸化水素を合成することができる。この触媒の性能は、これまで報告された均一系触媒で世界最高値を示す。

本研究は、ヒドロゲナーゼ酵素の機能を模倣することで、新たな分子触媒が開発できたという学術的な価値だけでなく、次世代エネルギーである水素を利用した新たな合成反応の基盤となる成果となる。

■小江主幹教授の話 :天然のヒドロゲナーゼ酵素の機能をヒント新しい触媒を開発しました。開発した触媒に水素と酸素を入れるだけで、過酸化水素を作り出すことができます。

 同成果は、米国学術誌「Journal of the American Chemical Society」(23年2月17日付)オンライン版で公開された。

(発表の詳細)
https://www.kyushu-u.ac.jp/f/51707/23_0220_04.pdf