2023年03月17日
量研・九大など「光が金属の中を突き進む」実現
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 量子科学技術研究開発機構(量研)、量子ビーム科学部 門関西光科学研究所(関西研)の西内満美子上席研究員、九州大学などの研究グループは16日、J-KARENおよびDracoシステムの高強度レーザー光による相対論的透過現象を実現し、従来よりも2倍高い効率で高エネルギーイオンを発生することに成功したと発表した。

 一般的にレーザー光が金属のような不透明物質を透過することは不可能と考えられている。だが、理論的には、超高強度レーザーを不透明物質に照射すると、レーザー光が表面で吸収されず、不透明な物質中に侵入・透過する「相対論的透過現象」が起こることが予測されていた。
 
 研究グループは今回、時間波形を最適化した超高強度レーザーパルスを膜状物質に照射することで、「相対論的透過現象」起こすことに成功した。光が入らない物質の中へレーザー光を侵入させ通り抜けさせる実験に成功した。さらに、その現象により、照射エリアの全ての膜状物質が電離・分極し、その分極により膜状物質内に生じたイオンの塊が1ミクロンメートル以下の短いスパンで光速の40%まで加速されることを観測した。
 
 従来手法では膜状物質表面のイオンのみ加速されたのに対し、今回、膜状物質の表面から裏面までの全ての領域のイオンが加速され、その結果、世界最高の加速効率(従来の2倍以上)を得ることができた。この研究成果により、従来型加速器に比べて、よりコンパクトかつ高効率のレーザー駆動型加速器の実現が期待できる。
本研究成果はNature姉妹誌「Light: Science & Applications」(2023年3月13日)に掲載された。

(詳細)
https://www.kyushu-u.ac.jp/f/51959/23_0316_01.pdf