2023年03月28日
住友化、次世代量子デバイス実現へ 東大などと連携
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:住友化学

 住友化学は28日、環境に配慮したデバイスの実用化に向けて、次世代量子デバイスの重要材料の一つとして期待される「強相関電子材料」の研究開発を促進するため、東京大学、東京工業大学、理化学研究所にそれぞれ研究拠点を設け、共同研究を開始すると発表した。
 
 研究員が複数の組織で研究開発を行うクロスアポイントメントを活用しながら、プロジェクト間の連携を進め、研究成果の最大化や早期の社会実装実現を目指す。

 電子同士が強く相互作用しあう物質群は「強相関電子材料」と呼ばれ、特にエレクトロニクス分野に革新をもたらす量子マテリアルとして注目を集めている。強相関電子材料は、数多くの電子が電荷、スピン、軌道などを通じて複雑に相互作用し合い、通常の金属や半導体では考えられない高速、省電力、多機能性といった特性を有する可能性を秘めている。また、従来の材料系からは予想できない新しい物理現象が発現することも多くの研究の結果示されている。

 今回の研究にあたっては、それぞれの機関に拠点や連携講座を設け、原理探求・材料設計からコンセプト検証まで幅広く共同で研究に取り組む。また、開発を加速させるため、住化からは各拠点に研究員を派遣し、相互の研究開発の連携を図るほか、同社の長年にわたる無機材料の設計技術やデバイス設計技術、分析・物性評価技術などの広範なコア技術と融合させ早期の社会実装を目指す。

ニュースリリース参照
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1679974060.pdf