2023年04月04日
富士フと神戸大、CT画像で膵臓がん検出技術 開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:富士フイルム

 富士フィルムは4日、神戸大学と共同でAI技術を活用して腹部の造影CT画像から膵臓がんが疑われる所見の検出を支援する技術を開発したと発表した。

 膵臓がんは、初期には自覚症状が出にくく早期発見が難しい。がんと診断されてから5年後の相対生存率は12.5%とがんの中でも低い。だが死亡者数は増加傾向にあり、2020年には37,000人を超えて、肺がん、大腸がん、胃がんに次いで第4位。早期発見が重要だが、診断には高度な専門知識が必要という課題があった。

 富士フイルムは2021年8月から神戸大学医学部の児玉裕三教授らの研究チームと共同で、CT画像による早期発見技術の開発に取り組み、今回、膵臓がん患者を含む約1,000症例の造影CT画像をAIに学習させて、腹部の造影CT画像から膵臓がんが疑われる所見を検出する技術の開発に成功した。
 
 同技術は、膵臓がんの直接所見である腫瘤だけでなく、間接所見である膵萎縮・膵管拡張・膵管狭窄なども検出する。同技術を活用して医師の負担を軽減することで、より精度の高い診断につながることが期待できる。