2023年04月13日
積水化の「CO2由来バイオ接着剤技術」NEDO採択
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:積水化学工業

 積水化学工業と(公財)地球環境産業技術研究機構( RITE )は13日、共同応募した「バイオものづくり技術による CO2を原料とした高付加価値化学品の製品化」が、NEDOのグリーンイノベーション基金(GI基金)事業「バイオものづくり技術によるCO2 を直接原料としたカーボンリサイクルの推進」に採択されたと発表した。
 CO2 由来の高機能接着剤を微生物により生産する技術の確立を目指す。

 積水化学は、CO2 を CO へ 90%という高い転化率で変換する技術を開発し、世界鉄鋼大手の欧州アルセロール・ミタル社と共同で、製鉄時に排出されるガスから CO2を分離・回収し CO に変換して製鉄プロセスへ活用を図るプロジェクトを進めるなど、CO2 回収と利用に関わる技術(CCU)開発に取り組んできた。また、微生物を活用して可燃性ごみをエタノールに変換するバイオリファイナリー技術を確立し、事業化に向けて実証を進めている。

 計画では茨城県ひたちなか・東海クリーンセンターで最終排ガスからCO2を濃縮し、ケミカルルーピング反応技術を活用してCOを製造する。そのCOから芳香族化合物を生産可能な微生物をCO資化菌の育種により開発し、培養制御し(バイオ生産技術)、芳香族化合物を高効率に生産する技術(バイオプロセス開発)などと融合し、統合生産プロセスを確立する。
 その後スケールアップして、廃棄物処理施設から排出される燃焼排ガスから高機能接着剤の連続製造を可能とするプラントを建設し、実用化を目指す。

 RITE は、地球温暖化対策における中心課題である CO2の削減のため、再生可能資源であるバイオマスを原料として、バイオ燃料や芳香族化合物を中心としたグリーン化学品を生産するバイオリファイナリー技術の研究開発を続けてきた。すでに独自開発した RITE Bioprocessにより、多くの芳香族化合物の生産が可能となっており、現在、それら化学品の生産技術開発および社会実装に積極的に取り組んでいる。

 今回、両者はバイオものづくり技術を核として、廃棄物処理施設から排出される燃焼排ガス(CO2)を原料として高付加価値化学品を製造する、革新的なものづくり手法を構築し、カーボンニュートラル社会の実現に貢献していくため、GI 基金に共同で応募し採択された。