2023年04月26日
東北大、「人工型」トランス脂肪酸の毒性解明
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:東北大学

 東北大学薬学研究科の松沢厚教授らの研究グループはこのほど、これまでに解明してきた、食品中に含まれる代表的な5種類のトランス脂肪酸の毒性を比較した結果、「人工型」が制御・プログラムされた細胞死を強く促進し、天然型にはそのような作用がないことが明らかになったと発表した。
 
 トランス脂肪酸には、主に工業的な食品製造過程で産生され、特定加工食品中に多く含まれる「人工型」と、主にウシなどの畜産動物内で産生され、乳製品や牛肉などに多く含まれる「天然型」の2つに分類される。
 これまで、「人工型」の摂取に関しては特に、循環器系疾患や神経変性疾患などとの疫学的関連が示唆されてきたが、その科学的根拠は乏しいのが実情だった。

 研究グループはさらに、この毒性作用は、EPAやDHAなどの高度不飽和脂肪酸によって効果的に軽減・抑制できることも発見した。これらの研究成果は、トランス脂肪酸関連疾患の画期的な予防・治療戦略の開発に繋がると期待できる。
 同研究成果は、4月11日付英国科学雑誌「Scientific Reports」に掲載された。

ニュースリリース参照
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv_press0421_04web_trans.pdf