2023年04月27日
旭化成、マイクロ波を用いてナイロン66再生実証
【カテゴリー】:環境/安全
【関連企業・団体】:旭化成

 旭化成とマイクロ波化学(本社:大阪府吹田市、吉野 巌社長)の両社は27日、自動車向けエアバッグなどに使用されるポリアミド66(ナイロン66)の製造工程で発生する端材をマイクロ波を用いて解重合し、ケミカルリサイクルする技術の共同実証試験を開始したと発表した。

 マイクロ波化学はこれまで、エネルギー効率の高いマイクロ波を用いたプロセス開発を軸に、カーボンニュートラル実現に向けた技術開発を進めてきた。ケミカルリサイクルでは、マイクロ波による独自のプラスチック分解技術“PlaWave”を構築してきた。

 2021年度から開始した実験室レベルでの検討では、マイクロ波によるポリアミド66の高収率での解重合を確認し、解重合後の分離・精製プロセスの原理も確認できた。
 
 今後は、2023年度内にマイクロ波化学大阪事業所内にベンチ設備を設け、2024年度には小型実証試験を行い、実用化に向けたプロセスの基礎データを収集する。

 両社はこれらの結果をもとに詳細検討を進め、2025年度までに事業化の可能性を判断する。また小型実証試験と並行してポリアミド66のケミカルリサイクルに関するビジネスモデルを構築し、サーキュラーエコノミーの実現を目指す。