2023年05月16日
新潟大など、新規ミトコンドリア分裂因子を発見
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:理化学研究所

 新潟大学大学院 医歯学総合研究科の神吉智丈教授をはじめ、微生物化学研究所、北海道大学、理化学研究所などの研究グループは16日、新規のミトコンドリア分裂因子である Mitofissin(マイトフィッシン)を発見したと発表した。この因子がマイトファジーの際にミトコンドリアをオートファゴソームに収まる大きさに分裂させることも明らかにした。
 
 ミトコンドリアオートファジー(マイトファジー)は、オートファジーがミトコンドリアを選択的に分解する現象で、ミトコンドリアの品質管理に重要な役割を果たす。マイトファジーの過程で、ミトコンドリアはオートファゴソームと呼ばれる球状の脂質膜に包まれるが、この際に大きなミトコンドリアが小さなオートファゴソームに包み込まれるメカニズムはこれまで不明だった。

 Mitofissin は、ミトコンドリア膜に直接作用して膜を切断することができるため、分裂の機序に関するこれまでの概念を覆す新たなメカニズムで作用することも今回明らかになった。

 同研究は、マイトファジーの分子機構について未解決であった問題を解明しただけではなく、オルガネラ(細胞小器官)の形態変形に関する全く新しいメカニズムの存在を明らかにした点でも、重要な成果となる。

ニュースリリース参照
https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/230516_pr.pdf