2023年05月25日
積水化、東京都とフィルム型ペロブスカイト太陽電池検証
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:積水化学工業

 積水化学工業は25日、東京・大田区の森ケ崎水再生センターに設置していたフィルム型ペロブスカイト太陽電池が完成し、24日、小池百合子東京都知事らも出席して検証キックオフを行った。
 同社によると、下水道施設などの大規模公共施設は、フィルム型ペロブスカイト太陽電池の設置場所として最適で、今後、脱炭素社会の実現に貢献する重要な潜在市場として適用性などを検証する。

 東京都は今後も太陽電池の研究開発に協力して総合調整およびペロブスカイト太陽電池の設置場所の提供、技術的助言、技術評価などを行う。積水化学は研究計画の策定、ペロブスカイト太陽電池の設置、計測および分析、下水道施設への適用に向けた研究開発を担う。

 積水化学は、独自技術である「封止、成膜、材料、プロセス技術」を活かし、業界に先駆けて屋外耐久性10年相当を確認し、30cm幅のロール・ツー・ロール製造プロセスを構築していく。すでに、同製造プロセス による発電効率15.0%のフィルム型ペロブスカイト太陽電池の製造に成功している。

 2023年度からは、本件をはじめ、各種用途への設置を通して技術実証と設置・施工方法の確立を進める。並行して、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金を活用し、1m幅での製造プロセスの確立、耐久性や発電効率のさらなる向上に向けた開発に取り組み、2025年の事業化を目指す。

■小池知事の話 :「エネルギー情勢が厳しく、かつ気候変動によって脱炭素など大きな課題がある中、このようなイノベーションが大きな日本の技術として羽ばたくのを東京都としても支援し、持続可能な成長を遂げる東京そして日本につなげていきたい」

ニュースリリース
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1684989878.pdf