2023年06月01日
京大・10万人調査「引退すると心疾患リスクが減」
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:京都大学

 「高齢者は仕事を続けていたほうが健康に良い」というのは間違えのようだ。京都大学大学院 医学研究科の佐藤豪竜 助教らの研究グループは、日本を含む 35 か国の 50~70 歳の 106,927 人を約 6.7年追跡し、引退と心疾患リスクの関連を調べた。その結果、引退した人は働き続けている人よりも心疾患リスクが 2.2%ポイント低いことが明らかになった。また、引退した人は、身体不活動のリスクが 3.0%ポイント低いこともわかった。

 現在、各国で年金の支給開始年齢の引上げや高齢者の就労継続支援が行われているが、今回研究の結果は、引退の遅れは必ずしも健康には良くないことを示唆している。働く高齢者が増える中で、運動などの健康づくりがますます重要になりそうだ。

 同研究は日本医療研究開発機構 (AMED)、日本学術振興会、医療科学研究所の助成を受けて行われた。
 研究成果は、疫学分野のジャーナル「International Journal of Epidemiology」オンラインに、5月8日に公開された。