2023年06月08日
東レ、土浦工場のポリプロフィルム能力増強
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:東レ

 東レは、車載コンデンサ用フィルムの需要拡大に対応するため、土浦工場(茨木県土浦市)の二軸延伸ポリプロピレン(BOPP)フィルム「トレファン」の生産能力を増強する。2025年の稼働開始をめどに、車載コンデンサ用フィルムの生産能力を現行比1.4倍に拡大する。

 「トレファン」はプラスチックフィルムの中でも軽く、強靱性・電気特性・機械的特性に優れ、一般工業用・コンデンサ用・包装材料用などに広く利用されている。主力用途のフィルムコンデンサは、家電・IT機器向け電子部品のほか、xEVのモーターを駆動させるパワーコントロールユニット(PCU)のインバーター回路に使用されている。

 「トレファン」は、独自技術により薄膜化と高耐電圧化という相反する性能を両立できるフィルムとして開発、現在車載コンデンサ用フィルム市場でトップクラスのシェアを有している。
 
 近年、環境意識の高まりから、自動車に対する規制強化が世界各国・地域で進みつつある。こうした事情を背景にxEV市場は世界的に2030年までに年率平均約20%の高成長が見込まれている。同社は2022年に土浦工場で「トレファン」の生産能力を拡大したが、今回、さらなる市場の拡大をにらみ再度の生産能力増強を決めた。