2023年06月27日
東洋エンジ、アンモニア新規触媒実用化へ
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:東洋エンジニアリング

 東洋エンジニアリングは27日、東京工業大学、Ammon Fields( 東京都港区 )、エフ・シー・シー( 静岡県浜松市=FCC)と共同で、東工大・原亨和教授らが開発した鉄-ヒドリド触媒を、燃料用アンモニア製造システムに適用することをめざし、実証に向けた触媒商業化の開発に取り組むことにし、14日付で覚書(MOU)を締結したと発表した。

 アンモニアはこれまで窒素と水素を400-600℃、15ー20 MPaという高温・高圧下で製造(合成法)してきたが、今回原教授が開発した、革新的な鉄-ヒドリド触媒を使用すれば、低温・低圧(100℃、1MPa)の条件でも優れた性能を発揮し、アンモニア合成時における省エネ化、CO2削減など多くのメリットが得られる。

 また鉄-ヒドリド触媒は、希少性の高い貴金属(レアメタル)を使用しない鉄触媒のため、経済性や安定供給という点でも優位性を有している。

 アンモニアは従来の肥料用途のほか、発電、船舶燃料、エネルギー源、水素キャリアなどとして社会実装に向けたロードマップが策定されている。将来的にも脱炭素の切り札として大きな需要が見込まれている。中・大型設備に適した運転条件と今回開発された触媒を組み合わせることで、燃料アンモニアの製造コストの低減が期待される。