2023年06月27日
UBEの新規医薬品候補、米FDA 希少病医薬品に指定
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 UBEは27日、 HiLung(本社:京都府京都市、山本佑樹社長)と共同開発中のリゾホスファチジン酸受容体1(LPA1)選択的アンタゴニストについて、このほど米国 FDAから希少疾病用医薬品指定(ODD)を取得したと発表した。

 同化合物は、わが国でも指定難病に含まれる特発性肺線維症(IPF)への適応をめざし、AMED(日本医療研究開発機構)の支援(創薬支援推進事業・希少疾病用医薬品指定前実用化支援事業)を得て開発中の新規医薬品候補。
 
 IPF は一般に慢性進行性で肺の線維化と肺活量の低下を来し、平均的には診断後 5 年程度で半数の患者が死に至るとされ、肺機能を回復させる治療法が肺移植しかないアンメットニーズの高い疾患。米国でも今回、わが国と同様に希少難治性疾患と位置づけられる IPF への開発に ODD 認証を取得した。
 
 ODDの取得に当たっては、HiLung が独自開発したヒト外挿性の高い肺オルガノイド線維化伸縮アッセイでの評価結果も含まれており、臨床データがない時点での指定となった。これにより、米国新薬承認申請時の申請費用の免除、臨床開発に係る連邦税の減免など、FDA からの各種薬事・研究費支援などの開発優遇・促進策が米国にて活用可能となる。承認後には米国での7年間の排他的先発販売権が与えられ、希少疾患における医薬品開発を加速する上で重要な一歩となる。

ニュースリリース
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1687832377.pdf