2023年07月14日
東レ、米国・韓国で炭素繊維能力増強、25年
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 東レは14日、炭素繊維(レギュラートウ)の好調な需要の伸長に対応するため、米国と韓国に持つ両子会社でそれぞれ生産設備の増強を決めたと発表した。
 
 米国には子会社Toray Composite Materials America, Inc.(本社:ワシントン州タコマ=CMA)、韓国にはToray Advanced Materials Korea Inc. (本社:ソウル特別市=TAK)をもつが、CMAはスパルタンバーグ工場(サウスカロライナ州)、TAKは亀尾工場(慶尚北道グミ市)の生産能力をそれぞれ増強する。グループ全体で現行年産2万9千トンから3万5千トンに拡大する計画。2025年から生産開始の予定。

 レギュラートウとは、フィラメント数が24K(24,000本)までの炭素繊維で、航空機や圧力容器等、高性能・高品位が要求される分野で使用されている。

 近年は、カーボンニュートラルのメガトレンドを背景に需要は好調で、2030年にかけて年率17%の成長が見込まれている。特に今後は圧縮天然ガス(CNG)タンクや、水素タンク、燃料電池車等の普及拡大に伴い急拡大すると見られている。
 
 東レは、今回の生産設備増強は、圧力容器用途の需要が拡大している米国および韓国で安定的な供給体制を確立し、産業用途需要の拡大に対応するためとしている。さらに航空用途等のレギュラトートウ炭素繊維の安定供給体制も整えていく方針だ。