2023年07月19日
九電など、福岡で系統用蓄電池の運用開始
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:三菱商事

 三菱商事は19日 太陽光出力制御の低減に向けて福岡県田川郡香春町で系統用蓄電池の運用を開始したと発表した。NTTアノードエナジー(本社:東京都港区、岸本照之社長)と九州電力と三菱商事の3社は同日、再生可能エネルギーの主力電源化および再エネ出力制御の低減に向け、福岡県田川郡香春町に出力1.4MW/容量4.2MWhの蓄電システムを設置し、本格的な運用を開始した。

 わが国が2050年のカーボンニュートラルを実現するためには、再エネの有効活用に向けた対策が必要となる。特に九州地域では2023年度に約740GWhの出力制御が見込まれている。これは一般家庭およそ17万世帯分の年間消費電力に相当する。

 こうした状況から、3社は2022年6月から、出力制御されている電力の有効活用及び新たな調整力等創出に向け、各社がそれぞれ有する経営資源やノウハウを活用し、系統用蓄電池の開発を進めてきた。

 今回、7月から新たなステップとして、NTTアノードエナジーが福岡県田川郡香春町(田川蓄電所)に設置した国産の系統用蓄電池を活用し、太陽光発電の出力制御量を低減させるとともに、需給ひっ迫時に電力供給する事業モデルを構築、運用することにした。事業モデルの検証や3社による複数太陽光電所の運用検証などを実施する予定だ。