2023年08月01日
東北大「発酵米ぬか/骨の炎症抑制に効果」
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:東北大学

 東北大学歯学部の溝口到教授らの研究グループは31日、発酵米糠(ぬか)に炎症を抑制する効果があることを発見したと発表した。発酵米糠の摂食により、炎症を促進するサイトカインのTNF-αの発現を抑制することをマウスの実験でつかんだ。

 近年、急激な高齢化に伴い、骨粗鬆症などさまざまな骨代謝疾患をもつ患者が増えている。さらに関節リウマチや歯周病、さまざまな感染症等により病的な骨吸収(骨の破壊)が生じて機能障害を引き起こすケースも生じている。
 
 このような機能障害を起こす病的な骨吸収を抑えるために、これまで多くの薬剤の投与等が行われてきたが、食物摂取による抑制や予防はより重要となる。

 溝口教授らの研究グループは、世界的な「食学(Shoku-gaku)」の活動拠点である「革新的食学拠点」での共同研究の結果、発酵米糠の摂取が病的な破骨細胞形成および骨吸収を抑制することをマウスを用いて見出し、その仕組みを初めて明らかにした。
同研究成果は2023年7月6日に「Nutrients」に掲載された。

<用語の解説>
◆TNF-α : tumor necrosis factor-α、腫瘍壊死因子 炎症を誘発するサイトカインの一つ。骨を吸収する破骨細胞形成を誘導することも報告されている。

(詳細)
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20230731_01web_rice.pdf