2023年08月01日
マイクロ波化学、三井化などナフサ分解 共同研究
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:三井化学

 マイクロ波化学(大阪府吹田市)と千代田化工建設、三井化学の3社は1日、マイクロ波加熱を利用した革新的ナフサクラッキング技術の開発に向け共同研究を開始したと発表した。
 
 NEDOの「脱炭素社会実現に向けた省エネ重点課題推進スキーム」に採択されて実施する。3社は今後、それぞれの知見を生かし技術の確立と実用化をめざす。

 わが国の石化産業は現在、年間 6,018 万トンの CO2を排出しており、このうち 51.5%がエチレンプラント由来となっている。エチレンは原料ナフサを熱分解して製造するが、排出される CO2 は、カーボンニュートラル(脱炭素)達成に向けて課題の一つとなる。
 
 そのため、現在 CO2 を発生しない水素やアンモニアへの燃料転換や、電化プロセスへの転換の開発が進められている。

 マイクロ波化学が持つ「M-Cracker」は、ナフサ分解のエネルギー源をマイクロ波加熱に転換するもので、これにより、マイクロ波プロセスの特徴である反応場へ直接加熱を行う。従来法とはまったく概念の異なる分解プロセスとなる。千代田はナフサ接触分解技術との組み合わせにより、開発技術の更なる進化を目指す。

 三井化学は 2050 年のカーボンニュートラル実現に向けてさまざまな取り組みを進めており、同技術が将来、バイオ原料等のナフサ代替原料に応用されることを期待している。

ニュースリリース
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1690856250.pdf