2023年08月15日
九大、ベトナムで奇妙な寄生バチの新種を16種発見
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:九州大学

 寄生バチの一種であるカブトバチ類は多くの謎に包まれ、発見から150年近く経つが、誰も生態観察に成功していない。九州大学農学研究院の三田敏治助教らの研究グループはこのほど、ベトナムで新たに16種類のカブトバチ類の新種を発見したと発表した。また、ナナフシの卵を隠すために地面に巣穴を掘ることを世界で初めて明らかにした。

 カブトバチの形態的多様性と生活史の研究を進めることで、ハチの仲間の産卵行動の進化や、不思議な形態の謎の解明に繋がると期待される。

 世界全体でこれまでに知られていたカブトバチ属の種数は51種だったため、今回研究で67種となり、3割以上増えたことになる。カブトバチ類は稀な寄生バチと考えられていたが、今回の発見により、はるかに個体数が多く、種多様性も高い寄生バチである可能性が出てきた。
 
 また、明らかになった産卵行動は、寄生バチというより、狩りバチでみられる巣作りの習性に近いと考えられる。カブトバチの形態的多様性と生活史の研究を進めることで、ハチの仲間の産卵行動の進化や、不思議な形態の謎を解き明かすヒントになると期待できる。
同研究の成果は国際学術誌「European Journal of Taxonomy」(23年8月4日)に掲載された。

ニュースリリース(詳細)
https://www.kyushu-u.ac.jp/f/54001/23_0810_01.pdf