2023年08月21日
旭化成、世界初、4インチ窒化アルミ基板製造に成功
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:旭化成

 旭化成は21日、米・子会社のCrystal IS 社(米国ニューヨーク州)が、4インチ(直径100mm)の窒化アルミニウム(AlN)単結晶基板(AlN基板)の製造に世界で初めて成功したと発表した。
 Crystal IS社はこれまでAlN基板を活用し、UV-C(深紫外線) LEDを製造・販売してきたが、今後は次世代パワーデバイス等への展開を見据え、AlN基板の外部販売に向けた活動を強化していく方針だ。

 Crystal IS社のAlN基板には、欠陥密度が低く、紫外線透過性が高く、不純物濃度が低いなどの特徴がある。今回、その特徴を活かした。
 
 また、AINは非常に広いバンドギャップエネルギーを持ち、炭化ケイ素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)よりも電力損失が小さく、耐圧が高いポテンシャルを有するこ。このためエネルギー効率に優れ、次世代のパワーデバイスへの適用やRF(高周波)アプリケーションへの展開が期待されている。

 AlN基板の製造には2000℃以上となる昇華炉内部で精緻な温度コントロールが必要であり、これが基板のスケールアップ(大口径化)にとって最大の課題だった。
 
 Crystal IS社は同分野で1997年の創業以来のノウハウを有しており、これまでも複数回のスケールアップを実現してきた。現在、年間数千枚の2インチ基板を製造しているが、4インチ基板の商業化が実現すれば、1枚あたり従来の4倍の面積で各種デバイスを製造できるようになり、生産能力・効率の大幅な向上に貢献する。
 
ニュースリリース参照
https://www.asahi-kasei.com/jp/news/2023/ze230821.html