2023年08月29日
広島大、がん増殖と薬剤耐性のメカニズム解明
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:広島大学

 広島大学病院口腔検査センターの安藤俊範助教らの研究グループは、細胞膜表面のタンパクである AXL と EGFR が二量体を形成し、下流のがん遺伝子である YAPを活性化させることで、がん細胞の増殖および EGFR 阻害薬への耐性を付与する新たなメカニズムを解明したと発表した。

 細胞増殖のシグナルを伝える AXL とEGFR が複合体を形成し、潜在的ながん遺伝子の一つである YAP の活性化を活性化させ、増殖と薬剤耐性を付与する仕組みを解明した。

 EGFR は口腔・頭頸部がんで高発現、および肺がんで活性化変異しているため、EGFR 阻害薬が使用されているが、耐性・再発が問題となっていた。
 
 同研究の成果によって、EGFR 阻害薬への耐性獲得を防ぐためには、AXL を標的とする薬剤、あるいは YAP を標的とする薬剤との併用が有効であることが示された。
同研究の成果は8月17日に「Oncogene」オンライン版(Springer Nature Group)に掲載された。

<用語の解説>
◆ シグナル経路とは :細胞内でリン酸化等の修飾を伝えていく分子の経路。シグナル経路の活性化は細胞の増殖などを引き起こす。遺伝子異常が生じると、下流に位置するシグナル経路は活性化し、がん細胞は活性化したシグナル経路に依存して増殖能を獲得する。