2023年09月01日
東北大・発見「人の意思は眼球運動に現れる」
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:東北大学

「心の中のプロセス」である意思決定を、どう可視化するかー東北大学大学院 情報科学研究科の松宮一道教授の研究グループは31日、人の意思決定が、その意思決定と関連のな眼球運動にどのような影響を与えるのかを研究した結果、眼球運動が意思決定の影響を受けることを実験によって明らかにしたと発表した。同成果は、眼球運動から目に見えない心の中の意思を推定できる可能性を示しているという。

 意思決定とは自らの判断を決定することであり、人間の行動にとって不可欠な認知プロセス。このプロセスの可視化は意思決定を理解する上で重要となる。意思決定の可視化により、人が次に何をしようとしているか、何を考えているかを先読みして対策を講じることができ、例えば、メンタルケア支援、認知症ケア支援、犯罪予防などに役立つ。
 
 だが、どうすれば意思決定を可視化できるかは大きな課題で困難なテーマだった。通常は形成された意思決定に基づいて運動行為が計画され実行される。そのため従来、意思決定と関連のない運動行為は、意思決定の影響を受けないと考えられていた。

 松宮教授らの研究グループは今回、実験によって眼球運動が意思決定の影響を受けることを明らかにした。同成果は、眼球運動から目に見えない心の中の意思を推定できる可能性があるとして注目されている。

 本成果は8月30 日に国際学術誌「 Communications Biology 」にオンライン掲載された。

ニュースリリース
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv_press0831_02web_eye.pdf