2023年09月05日
住友ゴム、世界最速890ナノ秒で高分子の動き観察
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:住友ゴム工業

 住友ゴム工業は5日、東京大学、茨城大学、産業技術総合研究所、科学技術振興機構との共同研究グループが欧州のX線電子レーザーを用いて、世界最速890ナノ秒でタイヤゴム中の微粒子と高分子(ポリブタジエン)の動きの同時観察に成功したと発表した。微粒子を用いた多様な材料系の評価法として、きわめて有効としている。
 
 研究は東京大学大学院 新領域創成科学研究科の佐々木裕次教授、茨城大学大学院 理工学研究科の倉持昌弘助教らのグループを中心に行った。
 
 タイヤゴムをサンプルとし、タイヤゴムに使用されるフィラーの一つであるカーボン微粒子と高分子の動く様子を世界最高速の時間分解能で計測することに成功した。
 
 タイヤゴムのような複合材料の場合は、異種成分間の界面付近の微粒子や高分子の動きを把握することがタイヤの性能を評価する上で重要となる。
 
 今回、研究グループは、世界で初めてナノ秒レベルで原子サイズの高精度の分子運動計測に成功した。これにより、ゴム劣化の早期診断や耐久性向上のための材料開発などで時間短縮が期待できる。
 
 同研究成果は、米国物理学協会発行の学術論文誌「Applied Physics Letters(APL)」オンライン版(9月4日付)に掲載された。

ニュースリリース
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1693878642.pdf