2023年09月11日
広島大、足羽山(福井)でヨコエビの新種を発見
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:広島大学

 広島大学大学院 人間社会科学研究科の富川光教授らの研究チームは8日、平成29年(2017年)11月に七ツ尾口坑道(福井県福井市)で採集した、地下水棲ヨコエビが、新種の「アスワメクラヨコエビ」だったと発表した。形態ならびに DNA に基づいた解析の結果、新種であることが確かめられた。
 
 特徴は色が半透明の白色で、目は退化。隊長40~89ミリ、1個体が抱える卵は2~3個という
 今回発見の成果は、日本列島の地下環境における生物多様性の高さを示すものとして評価されている。
 同成果は、論文が今年6月12日付でニュージーランドの動物分類学の学術誌 Zootaxa に掲載され、新種の正式な発表となった。
 
 メクラヨコエビ属は地下水性で、従来 41 種類が見つかっている。分布の中心は東アジアで、日本、朝鮮半島、中国、極東ロシアに分布している。日本では 10 種が見つかっていた。アスワメクラヨコエビは世界では 42 種目、日本で11種目のメクラヨコエビ属の種となる。 触角の長さ、触角のつけ根部分や尾の形態、口器の毛の数やそれを構成する部位の節の長さの関係が近縁種と異なっている。
 
 研究チームは「アスワメクラヨコエビは福井県内外にも生息していると思われる。今後も足羽山周辺を中心に、メクラヨコエビを探し、見つかり次第、アスワメクラヨコエビとの関係について解析したい。。アスワメクラヨコエビが足羽山固有種なのかを探りたい」と話している。