2023年09月25日
東レ、VOCフリーのオフセット印刷食包材 実用化
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:東レ

 東レは25日、マレーシアの食品メーカーITP Foods Sdn. Bhd. (本社:マレーシア ペナン州)が、東レ技術のVOC フリー・CO2 排出削減を実現する 「水なし EB オフセット印刷システム」を適用した食品包装材を実用化し、新商品として世界的にいち早く上市する予定と発表した。

 軟包装材は、軽量性や透明性、加工のしやすさなどの特長を持ち、食品やシャンプー・洗剤の詰め替えパウチなどの包装用に幅広く使われており、今後も年率3%以上の拡大が予測されている。

 ふつう軟包装材の文字や絵柄の印刷に用いられるインキには石油系溶剤が使用され、VOC(揮発性有機化合物)の発生源となる。またインキ溶剤を加熱乾燥するため、多量のエネルギーを使用する。印刷工程でのCO2排出量削減、VOCフリー化への対応が喫緊の課題となる。

 東レは、印刷工程におけるVOC発生を抑制するとともに、CO2排出量の80%以上を削減するオフセット印刷版「 MPRIMA 」を用いた、水なしEB(電子線)オフセット印刷技術について、実証を進めてきた。
 
 今回、ITP Foodsが同技術に着目し、東南アジアで先駆的な取り組みとして自社のフィルム包装材に採用することにした。商業ベースでは世界初採用となる。ITP Foods は、10月7日~11日にドイツ・ケルンで開催される世界最大級の食品展示会「 Anuga 2023 」に出展する。

 
ニュースリリース
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1695631680.pdf