2023年10月04日
広島大、半月板と変形性膝関節症の力学病態解明
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:広島大学

 広島大学大学院医系科学研究科の石井陽介助教らは3日、変形性膝関節症の進行と痛みに関する力学的特徴を発見したと発表した。
 
 変形性膝関節症者55名と健常高齢者10名を対象に、三次元動作解析システムと超音波検査装置を用いて快適歩行中の関節負荷と内側半月板の動き方を同時に測定した。

 健常高齢者の半月板の動き方から、変形性膝関節症者は 3つに分けられ、膝の横ブレやガニ股歩行によって、足底の地面接地や踏み込み時に発生する膝内側に生じる力、膝曲げ歩行によって発生する膝前面に生じる力が半月板を逸脱させていた。
 
 さらに健常者の半月板の動き方と類似していないと、逸脱の引き金になる内側半月板後方付着部損傷の発生がより高いことが確認された。

 このため、変形性膝関節症者の半月板の動き方を把握し患者個別に応じた適切な膝への負荷を軽減させることが、関節症発症や進行を予防する効果的な治療につながるとしている。
 同研究成果は8月2日に「Scientific Reports」オンライン版に掲載された。