2023年10月12日
東北大、胸部レントゲン写真で心不全の危険予測
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:東北大学

心不全は世界的にも主要な死因であり予防が重要だが、東北大学大学院 医学系研究科の安田聡教授(循環器内科)らの研究グループは11日、同大学に登録された「心不全ステージB」の患者のデータを解析し、心胸比の経時的な変化を評価した。
 
 その結果、登録時CTR>53%かつ、年間のCTRが0.5%ずつ上昇する(心陰影が拡大していく)患者は、心不全を発症する危険が高いことを明らかにした。

 また1回のレントゲン写真ではなく、経年的な胸部レントゲン写真の心胸比を評価することで、将来的な心不全の発症予測が可能なことを初めて明らかにした。

 本研究により、胸部レントゲン写真での簡易な測定項目であるCTRの経時変化を調べることで、心不全発症の予測が可能であることが示唆された。今後新たな診断・治療戦略につながると期待される。

 同研究成果は「International Journal of Cardiology Heart and Vasculature」誌(9月17日付)にオンライン掲載された。

◆心不全ステージBとは:器質的心疾患を有するが心不全症候のないレベルの患者をさす。(日本循環器学会/日本心不全学会合同ガイドラインによる定義)

(詳細)
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20231011_01web_heart.pdf