2023年10月23日
九大、山地の土壌浸食と微生物の変化解明
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:九州大学

 九州大学大学院農学研究院の片山歩美助教らの研究チームはこのほど、宮崎県と熊本県にまたがる九州背梁山地の土壌浸食が、森林内の土壌微生物相を変化させていることを明らかにしたと発表した。

 九州背梁山地では、シカ等によって森林下層の植物が食べられ、地表面の土壌が流れ出る土壌浸食が各地に見られる。

 土壌微生物の群集組成を網羅的に解析した結果、九州山地で起きている土壌侵食が土壌中の微生物相を変化させていることをつかんだ。

 土壌侵食による微生物相の変化は、植物が定着しづらいような方向性になっており、今後さらに侵食が起きるような環境になっていることもわかった。

 本研究成果は、下層植生が消失した森林における土壌侵食についての生態系メカニズムの理解を促進させ、今後の森林管理や山地保全について基礎的な知見を提供するものとなった。

(詳細)
https://www.kyushu-u.ac.jp/f/54694/23_1020_01.pdf