2023年10月31日
東大など、水からできた疎水性材料を発見
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:東京大学

 東京大学、北海道大学、理化学研究所などの研究グループは31日、含水率 99%の均一なゲルが濃厚なゲルと希薄なゲルの2相に分離する、ゲル・ゲル相分離(GGPS)を世界で初めて発見したと発表した。
 水溶性高分子であるポリエチレングリコール(PEG)の網目が大量の水を保持した PEGハイドロゲルにおいて、新しい相分離現象「ゲル・ゲル相分離」(GGPS)を発見した。

 このゲル・ゲル相分離が生じたゲルはスポンジ状の構造を持ち、水を99%含むにもかかわらず、油のように水を弾く疎水性を示した。水分量が多いほど、ゲル・ゲル相分離の度合いが顕著で、より水となじみにくくなるという直感に反した結果が得られた。

 ゲル・ゲル相分離が生じたゲルは高い細胞親和性を持つことから、生体に埋め込むと周囲の細胞が入り込む足場となり、組織再生を促す材料としての医療応用が期待される。
本研究成果は、「Nature Materials」のオンライン版で公開された。

(詳細)
https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/231031_pr.pdf