2023年11月01日
富士フ「紫外線が皮膚のバリア機能を低下」
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:富士フイルム

 富士フイルムは1日、紫外線や熱で酸化した皮脂である過酸化脂質が、皮膚のバリア機能を低下させる一因を解明したと発表した。今後、皮膚のバリア機能低下を予防する成分の処方設計に応用するなど、化粧品の開発に生かしていく方針だ。

 実験方法は、まずリノール酸を加熱して「過酸化リノール酸」を作成。皮膚モデルの角層に濃度 12mM の「過酸化リノール酸」、および濃度 300ppm の「アクロレイン」をそれぞれ添加して培養した。「過酸化リノール酸」を加えた皮膚モデルでは 48 時間後に、「アクロレイン」を加えた皮膚モデルでは 24 時間後にそれぞれ皮膚のバリア機能の指標である TER 値を測定し、相対値で示した。

<今回の研究成果>。
(1)皮脂の酸化物である過酸化脂質「過酸化リノール酸」と同脂質の分解物「アクロレイン」が皮膚のバリア機能を低下させることを実証した。
(2)皮膚のバリア機能低下のメカニズムを検証した結果、「過酸化リノール酸」と「アクロレイン」が皮膚のバリア機能を維持するセラミドおよびアシルセラミドの産生に重要な酵素の遺伝子発現量を減少させることを発見した。
(3)「アクロレイン」が、皮膚のバリア機能維持に関わる重要因子(3種)の遺伝子発現量を減少させること
を発見した。

ニュースリリース参照
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1698800815.pdf