2023年11月17日
金沢大など、乳がん再発の原因細胞 解明
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:科学技術振興機構

 金沢大学がん進展制御研究所の後藤典子教授をはじめ,帝京大学、東京大学、京都大学、東京医科歯科大学などの共同研究グループは17日,乳がん再発の原因細胞の取り出しに成功したと発表した。

 乳がんは,世界的にも女性が罹患する最も多いがんで、近年は診断技術や医薬などの進歩により,治癒を見込める症例が増えている。だが一方で,完治したはずが数年後に転移再発する症例も多くあり、課題の一つになっている。メカニズムもよくわかっていない。

 研究グループは今回,幹細胞の性質を持つ,いわゆる「がん幹細胞」の細胞集団の中に,抗がん剤などの治療に対して最も耐性を示す亜集団を見いだし,取り出すことに成功した。
 
 さらに,古くから心不全の治療に用いられてきた強心配糖体を用いることにより,この治療抵抗性のがん幹細胞亜集団を死滅させられることを見いだした。これらの知見は,強心配糖体を組み合わせた術前化学療法を行うことにより、乳がん再発を予防できる可能性があることを示しており,乳がんの撲滅に貢献できることが期待される。
 同成果は国際学術誌「Journal of Clinical Investigation」(11月15日付)オンライン版に掲載された。