2023年11月20日
北大、深海プランクトンの特徴つかむ
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:北海道大学

 北海道大学水産科学院の山口篤准教授と島根大学の研究グループは17日、日本周辺のオホーツク海、日本海及び東シナ海に設けた7定点の水深3,000 mに及ぶ動物プランクトンについて群集構造や生体、サイズ組成等を明らかにしたと発表した。

 動物プランクトンの出現個体数と生体体積は、いずれも水深が増すにつれて減少しており、両者と水深の関係は両対数式で表現することができた。出現個体数に比べて生体体積には海域や定点による差が大きく、表層における海域間の大小関係は深海まで保存されていることが明らかになった。
 
 動物プランクトン群集は八つに区分され、特に日本海の深海には他海域に見られない、低水温な日本海固有水に特有の群集が見られることが明らかになった。動物プランクトンは深海では量は少ないものの、大型個体が多く、サイズ多様性が高いことが明らかになった。

 研究グループは今回、表層から深海への物質輸送の役割を担う動物プランクトンの、全水柱を通しての現存量、群集構造とサイズ組成について、日本周辺海域の海域毎の特徴を明らかにした。表層から深海への物質輸送量を正確に推定する上で欠かせない、重要な知見といえる。
なお同研究成果は11月6日付の「Progress in Oceanography」誌にオンライン掲載された。

ニュースリリース参照
https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/231117_pr.pdf