2023年11月24日
資生堂、「紅花」エキスに毛細血管安定化効果
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:資生堂

 資生堂は24日、山形県で伝統的に生産される紅花の品種「もがみべにばな」のエキスが、血管内皮細胞同士の接着を担う VE-カドヘリンに働きかけ、毛細血管の構造を安定化する効果があることを発見したと発表した。
 
 血管の構造は、主に胞の接着と管内皮細胞同士の接着という2つ の要素によって安定化されている。同社はこれまでに安定化効果を持つ成分は見出していたが、今回、内皮細胞同士の接着も促し、より毛細血管の構造を安定に導く可能性も発見した。
 同社は今後同研究成果を、血管に着目した、シミ・くすみ、しわ、たるみといったエイジング悩みにアプローチするソリューションに応用していく方針だ。

 資生堂は、肌の美容には体内との関わりが重要と考え、血管、リンパ管、神経、免疫など、皮ふと全身との関わりを踏まえた皮膚科学研究に早くから取り組んできた。特に血管については、独自の血管観察技術を開発・活用しながら、血管の状態とシミ、しわ、たるみなど、多くの肌状態との関連を明らかにしてきた。
 
 紅花も、30年以上前から着目しており、血流を促す効果が知られているアデノシンが紅花に含まれていることも確認済み。今回、山形県産の「もがみべにばな」に新たに着目し、抽出したエキスが血管にもたらす影響について調べ、毛細血管の構造安定化効果を発見した。

ニュースリリース
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1700807167.pdf