2023年12月07日
九大、世界初・ダイズ油脂中の遺伝子発見
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:九州大学

 九州大学大学院農学研究院の穴井豊昭教授と佐賀大学農学部の渡邊啓史准教授らの研究グループは7日、油脂中にフラン酸をほとんど含まないダイズ突然変異体を見出し、これを用いて、油脂中のフラン酸合成に関わる遺伝子を特定することに世界で初めて成功したと発表した。

 同研究で得られたフラン酸含量を減少させる突然変異遺伝子は、明所臭の発生が少ないダイズの開発に利用できる。油糧作物としての価値を高めたダイズ新品種の育成も可能となる。その結果、フラン酸含量の低いダイズ油脂は、油脂だけでなく、マヨネーズやドレッシングといったダイズ油脂を使用する製品の品質改善にも役立つことが期待される。

 穴井教授らは、すでに油脂中のオレイン酸含量を高めたダイズ品種の育成にも成功しており、今回成果と組み合わせることで、高オレイン酸かつフラン酸をほとんど含まない油脂を生産するダイズ新品種の育成が可能となり、ダイズ油脂で課題とされていた酸化安定性の増強や油脂の劣化に伴う不快臭の発生の軽減が期待されてる。
 本研究成果は、11月29日付英国科学雑誌「The Plant Journal」オンライン公開された。
 
(詳細)
https://www.kyushu-u.ac.jp/ja/researches/view/1017