2023年12月15日
タカラバイオ、mRNA適合 高品質RNA合成酵素発売
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:タカラバイオ

 タカラバイオは15日、メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンの開発に適したRNA合成酵素として「PrimeCap」を開発、 12月19日に発売すると発表した。

 mRNAワクチンは、新型コロナウイルスに対するワクチンとして実用化されて以来、感染症予防だけでなく、がん治療などの目的でも研究が広く行われている。

 一般的に、ワクチンとして用いるmRNAは、RNA合成酵素(RNAポリメラーゼ)による酵素合成によりつくられる。
 また、mRNAがワクチンとして生体内で機能するためには、mRNAにキャップ構造といわれる修飾が必要となるが、このキャップ構造の付加効率を高めることが課題の一つとなっている。

 今回開発した試薬は、従来型のT7 RNAポリメラーゼを遺伝子工学的に改変し、さらに反応条件を至適化することで、RNA合成活性を損なうことなくdsRNAの生成を10%以下に抑えることができる。

 さらに、関西文理総合学園 長浜バイオ大学の白井剛教授との共同研究により、遺伝子改変によりキャップ構造を付加する活性を増強した。
 同試薬と、すでに同社が販売中の補助酵素試薬およびキャップアナログを組み合わせることによって、高品質でキャップ構造の付加されたmRNAを効率よく合成できるようになった。同試薬は12月26日から出荷する。

ニュースリリース参照
https://ir.takara-bio.co.jp/ja/news_all/news_Release/23m1215tb932tt.html