2023年12月18日
クラレ、米国エバール工場事故検証で報告
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:クラレ

 クラレは18日、米国子会社「クラレアメリカ社」エバール工場で2018年5月19日に発生した火災事故の検証結果と再発防止策を発表した。

 火災事故はクラレアメリカ社エバール工場第2系列重合工程付近で2018年5月19日午前10時28分に発生、
 (1)エチレンによる重合槽の昇圧中、冷媒の通液によりエチレンが凝縮
 (2)これにより重合槽内の温度が異常低下
 (3)オペレータが温度低下への対応として、重合槽ジャケットの加熱を開始
 (4)重合槽の過熱により液化エチレンが気化、圧力が上昇
 (5)オペレータが圧力制御弁を開放もエチレン放出量を制限するガイドが発報、さらなる開放を躊躇
 (6)槽内圧力を下げるための緊急開放弁の作動の前に、槽内圧力が安全弁の設定値に到達、圧力制御弁からエチレンが大気中に放出、などの順序をたどった。
 同検証の結果、事故は「誤った操作手順による重合槽圧力の異常上昇による」と断定された。
 再発防止策として、工場における生産プロセスの安全管理の徹底や安全に関する専任担当の配置、各工場共通鵜のガイドライン整備のほか、ガバナンス体制の強化、従業員の安全意識、危険予知能力向上、などを挙げた。